五月に植えた琉球朝顔は毎日熱心に水をやり大事に育てた。
小さな苗はみるみるうちにつるを伸ばし、青々とした葉っぱを棚いっぱいに広げていった。
梅雨入りした頃からは水やりの必要もなくなり、だんだんと手間もいらなくなった。
だが、7月から8月にかけて期待していた花は全く咲かず、9月になってもひとつも咲かない。
初めの頃は熱心に育てていたのに梅雨入り頃からほったらかしにしていたことを少し反省しかけていた頃、棚の高い所にひとつだけ青紫の花が咲いた。
随分遅い時期で、10月初めだったと思う。
それからは次々に花が咲き、10月中旬にピークになった。
毎日30~40個の花が咲いてはすぼみ咲いてはすぼみを繰り返し、飽きることがない。
季節はずれの開花に、訪れる客がけげんな顔をして聞いてくる。
「ここの朝顔はなぜ今頃咲いているの?」
種類が違うことを説明してもなかなか納得してもらえないらしい。
昨年は見事に失敗したが、今年はどうにか花を咲かせることができた。
それにしても緑のカーテンが10月に完成するとは思いもしなかった。
8月の灼熱を少しでもしのぎたいと思って始めた朝顔だったが、
チャレンジ2年目の朝顔は11月の秋風に吹かれながら美しく咲いている。
ナン
琉球朝顔は昼近くまで咲いているので、寝坊の僕でも見ることができる。
なぜか花は高いところに集中しているようだ。
すこしピンク色をしているのは2日目の花らしい。
地面に近いところにも並んで二つ。
ブルーなので、これは1日目の花。
中段にもブルーとピンクの花が咲いている。
緑のカーテンというには貧相だが、去年の失敗に比べると大進歩だ。