『 桃林窯 器こぼれ話 』

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被災された方々が、一日も早く心安らかな日々に戻れますよう祈念いたします。

                                     桃林窯
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by my_utuwa | 2011-03-15 18:47 | Comments(4)

卵かけごはん

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地味な話題で恐縮だ。
皆さんが朝食べる、あの卵ご飯・・。
卵ご飯にはちょっとした思い出がある。

うんと昔、ある研修に行ったことがある。
全国から集まったいろんな人達が参加していた。
知らない人ばっかりで、コチコチに緊張していた。
上京したての私にとって、最初の関門は言葉だった。
テレビでだれでも使っている簡単そうな標準語が出てこない・・。
口を開こうとすると、九州弁が飛び出しそうだ。
えらいことになったと思った。

研修所に着いたのは夜だったと思う。
次の日から悪夢のような研修が始まった。
緊張で眠れないまま朝を迎えた私は、眠気を我慢しながら食堂へ降りて行った。
朝食はご飯だった。
見慣れた海苔と卵、お味噌汁に漬物。東京でもおなじものを食べるんだ。
少しばかり安心して、一気に緊張が和らいだ。
これがいけなかった。

甘い香りがするいつもの卵ご飯を食べようとした時
突然前の席の女の人から、声がかかった。
「何をしていらっしゃるの?」
「え?」顔を上げたら、長いテーブルに座っていた15人位の女性達が
ざ~っと一斉にこっちを見ていた。
「えっ??」視線は私の卵かけご飯に注がれている。
卵の黄身だけを丁寧にすくって、ご飯に載せお醤油をたらしてかき混ぜる・・、
いつも食べてる卵かけご飯なのに、みんなが見ている。
「・・・」なんで?

「お父さん!!」
とたんにケンパ(父)のことが頭をよぎった。違う食べ方を教えたな・・。
卵ご飯をこうやって食べることは、ケンパの直伝だ。
まさか他に卵ご飯の食べ方があるなんて、この時まで思いもよらなかった。
みんなを見ると、器の中で白身と黄身を一緒に溶いた卵に
しょうゆをたらし、それをご飯にかけて、ズルズルとなったご飯を食べている。
みんながみんな、そうだった・・。
私にとっては始めて見る、気味の悪い卵ご飯だ。

「白身がお嫌い?そうなのね・・・?」
再びその人の声がして、何となくその場がおさまった。
頷いたのかもしれない・・。

次の日から必死になって、その気味の悪い卵ご飯を食べるようにした。
みんなと同じでなければと、究極の我慢をした。
ドロっとした白身を口に含むと、喉の奥から吐き気さえもよおした。
何しろ目をつぶる思いで、頑張ったのだ。

何となく無理なく食べられるようになった半年後、
いつものように白身の入った卵ご飯を食べようとした時
なんだか急に、ばからしくなった・・・。
気味の悪い卵ご飯を食べられるようになったからって、
たとえそれが正解だったとしたって、それが何だというのだろう。
その日から私はケンパの教えた、あの卵ご飯に戻ることにした。
濃厚で甘くておいしい、いつもの卵ご飯。あ~、幸せだ・・。

「あら、卵ご飯ってこうやって食べるのよ、知らないの?」
「その時にさ、堂々とこう言えたらみんな一斉に、逆に真似したろうな。
惜しかったね~、キーマ。」と、ナンは笑う。
                                            キーマ











卵を割ったら、黄身だけそ~っとすくって御飯に乗せる。
こんな感じ・・。
くぼませた御飯の真ん中に芸術的におくことが肝要だ。

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黄身に醤油をたらし、さっくりと混ぜる。
まだらになる程度にしたら、混ぜるのをやめる。
これがキーマ好み。
御飯の白いところと、黄身がかかったところが両方味わえるんだな・・。

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最近ナンが作った鉄絵入り、粉引きのカップ。
これを使って、ギャラリーでコーヒーを出したら、とってもうけている。
気をよくしたナン。
今度の個展で、一点物のこんな感じのカップが出ますよ~

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                                 ¥4000




今度の個展では、まっ茶椀を数点出す予定。
写真では分かりにくいかもしれないけれど、たっぷりと大ぶり。
刷毛目の茶わん。

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                              13.5φ×10.5cm(高さ)  ¥24000





粉引きの茶わん。
丸みを帯びて、手の中によくなじむ。
下に面取りが施してある。

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                              13.5φ×10.5cm(高さ)  ¥24000




粗い粒子の土で作った刷毛目の茶碗
ざっくりと大ぶり・・。

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                              14φ×10cm(高さ)     ¥10000




泡雪がのったような柔らかい茶碗。
キーマのお気に入りだ。
手に包み込むようにして持つと、とても気持ちがいい。
寒い日に、庭を見ながら静かにお茶を立てて過ごしたくなる。
写真では見えないが、高台に深い切り込みがある。

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                              12.5φ×10.5cm(高さ)   ¥24000                                  




写真では分からないが、上から見るといびつな形をしている。
これも大好きな茶椀・・。
高台がすこし低いので、究極の蕎麦椀・・・なんていうのはいかが??
たっぷりと、もったりした粉引きがのっている。

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                             13.5φ×10cm(高さ)   ¥10000





刷毛目の平茶椀
だんだん暖かくなったら、こんな茶碗で、野点なんていかがでしょう。

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                              15.5φ×7・5cm(高さ)  ¥10000




今、私が使っている粉引きの飯椀。
今回の卵御飯に使ったもので、年季が入ってきた。
個展では、こんなシンプルな茶碗も出す予定です。

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吉田求 器展のご案内

日時)3月8日(火)~13日(日)
    AM10:00~PM6:00

場所)高伝寺前村岡屋ギャラリー

 佐賀市本庄町本庄961-5
 ☎ 0952.24.5556

問い合わせ)桃林窯  ☎0954・45・6186

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by my_utuwa | 2011-03-01 22:28 | Comments(18)