『 桃林窯 器こぼれ話 』

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祖母とトマト

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スーパーに行ったら、真っ赤なトマトが並んでいた。
かごの中に入れたら、懐かしい祖母の記憶がよみがえってきた。

祖母は、九州の山奥に90過ぎまで住んでいた。
若いころ、教師でテニスの好きなハイカラな祖父に嫁いで
よほど幸せだったのだろう。
日向の縁側で、幼い私に亡くなった祖父の話をよくしてくれた。
祖父は33歳の若さで結核に倒れたそうだ。
幼い叔父と乳飲み子の母、
二人の子供と辞世の句を残し、後を心配しながら亡くなった。

祖母の苦労はこうして始まった。
婚家を出ることなく、厳しい義理の父母のもとに仕え続けた。
冷たい仕打ちもあったらしい。
やがてこの義父母も看取って、古い家に残された祖母は
夫である祖父と自分の名前の入ったお墓を近くに建てて、
いつかそこに一緒に入ることを望んでいた。
小さな体を折るように、急な山道を毎日のように
花を持ってお墓参りに行っていた。
当時はまだ若い祖母に、良い縁談もあったそうだが、
祖母はけっして首を縦に振らなかった。
典型的な一本気の明治生まれの女性だった。

そんな祖母は、トマトが大好きだった。
庭先のトマトを裏の川で冷やして、
美味しそうに食べていたことを思い出す。
晩年の祖母、骨折が原因で寝ついてしまった時
母が枕元にトマトを持って行って食べさせた。
祖母はぽろぽろと涙を流したそうだ。

祖母が亡くなって数年後に結婚した私は、トマトを調理によく使う。
トマトを料理するなんて、祖母は想像もしなかったに違いない。
もし今、祖母が生きていて、こんなトマト入りのピザを食べさせたら
なんて言うのだろう・・。
明治生まれはチーズが苦手、というのだろうか。
いいや、祖母はやっぱりトマトはおいしいと、目を細めるに違いない。
トマトに包丁を入れながら、食べさせてあげたかったなと
そんなことを思っている。            キーマ






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ピザの生地は多めに作る。
生のまま冷凍庫に入れて、食べるときに生地から焼く。
薄く延ばして、パリパリに焼いて・・。
冷蔵庫の中の野菜をバンバンのっけ、カボチャやレンコン・・何でもありだ。
ドーンと一尺ぐらいの粉引きの大皿に乗せる。
ナンはビール片手に、焼きあがるのをおとなしく待っている。

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ピザの取り皿は、シンプルなちょっとグリーンがかった粉引き皿。

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おばあちゃんが大好きだったトマトもたっぷり入れてみた。
カラフルなピザが出来上がった。
一緒に食べたかったな・・。

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これも、ちょっとグリーンがかった粉引き。
アクセントに櫛目が入っている。
サラダや小鉢として。
ちゃんと重なるので、収納も楽チンだ。

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大のお気に入りの三つ足の器。
そんなに大きくはないが、2人分ぐらいのお刺身用にもってこいの大きさ。
そこそこ重く、存在感たっぷり。
日本酒党には、こんな器をキーンと冷やして
美味しい刺身を乗せてほしい。

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手のひらに乗るくらいの小さな器だ。
焼き締めて作った。
わかりにくいが、外はさっくりと面取りしている。
ナンはピーナッツを入れて、ビールのつまみ入れにしている。
私は、野菜をピーナッツ和えにして盛り付けることが多い。

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シンプルなシンプルな粉引きの飯椀。
売り切れる頃に、必ずといっていいくらいに注文が入る。
ナンは大ぶりを好む。
これからの季節、豆ご飯はどうかな。
熱々のご飯をよそって、いただきまーす。

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・春の窯開きのご案内

期間) 4月29日(祝)~5月5日(祝)
     10:00~17:00

場所) 桃林窯
     佐賀県武雄市山内町大字宮野1832-1
問合せ)0954・45・6186





     
  ・吉田求 うつわ展
  
期間) 平成22年6月1日(火)~6日(日)
  AM11:00~PM6:00

場所)  ギャラリー画 がや 椰
  福岡市城南区東油山3-29-30
  TEL)092-873-0033

  初夏の新作展、花器や茶碗など
  みごたえのある一点ものの作品など
  を展示販売します。

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by my_utuwa | 2010-04-27 23:13 | Comments(25)

変動金額小遣い

休日は久しぶりに予定を入れず、たまにはゆっくり家で過ごそうということにした。
個展や企画展、地域の行事、お祝いや法事などが目白押しだった。
それに加えて年取った両親もそろそろ怪しくなってきて
頻繁に様子を見に実家に行かなければならない。
キーマも僕もくたくただった。

ゆっくりと寝過した朝、突然玄関のチャイムが鳴った。
「誰・・・。」と思いながら、ドアを開けると、
「きみまろ」に似た、人のよさそうなスーツ姿の銀行員が立っていた。
去年の秋の窯開きに、ビールを差し入れしてくれたメンバーの一人だ。
「うち、お金ないよ。」と、むげに追い返すわけにもいかない。
仕方がないので、話だけでも聞いてみようということになり、
奥に居たスッピンのキーマを慌てさせた。

「短期豪ドル債」 彼が勧めに来た商品だ。
「分配金いいんですよ。実は僕も3カ月前に買って持ってるんです。」
全く買う気がなかったのだが、彼のこの一言で、
ハイリスク、ハイリターンに心が揺れた。

「ナン、お小遣いはこれにして、貰ったら?」と言うキーマ。
眉が1センチほど、いつもより短い・・・。
急いで化粧して、いつの間にか隣に座っていた。
「えっ、ほんとですか?ビール差し入れしていた甲斐があったなぁ・・。」
まだ若い彼は、そんな本音をさらりと言って、僕らを大いに笑わせた。

こうして僕のお小遣いは、4月から変動金額になってしまい、
しかも元本保証なし。
朝、新聞をチェックして、今月の小遣いの予想を立てる。
毎日届く新聞が、すっかり現実味を帯びて身近になった。
何というか・・・、とてもスリリングになってしまったのだ。    ナン


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「黒髪山の植物」という図鑑で調べたら、ミヤマガマズミというらしい。
秋には赤い実がつく。
庭先の岩山に咲いている野生。
秋には紅葉する、とても風情のある樹木。

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桃林窯の中央にある大きな岩山は、すっかりコケに覆われた。
山を造成した頃は、がらがらとした岩肌が見えて痛々しかった。
キーマはせっせと水をかけて、コケを育てていた。
努力の甲斐があったな・・・。
今年もシダの新芽が出てきた。

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ひと筆書きの刷毛目の鉢。
うちではビビンパなどに使う事が多い。

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あわ雪を乗せたような、粉引きのぐいのみ。
面取りをした鉄分の多い土のうえに、ふんわり白化粧。
ぬる燗で一杯、肌寒い今の季節の花見酒をイメージした。

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ブランデー、泡盛など強い酒に向くショットカップ。
ちびりちびりと楽しむ時に、手の中に遊ばせながらゆっくり時間を過ごす。
たまにはこんな時間の過ごし方もいいと思う。

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片口と盃。
ちょっとこぶリの片口を酒器にして飲む。
盃は、愛好者から時々頼まれる。
僕はぐいのみとして使っているが、。
キーマは、これにイカ塩辛を乗せて肴にしていた。

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春の窯開きのご案内

期間) 4月29日(祝)~5月5日(祝)
     10:00~17:00

場所) 桃林窯
     佐賀県武雄市山内町大字宮野1832-1
問合せ)0954・45・6186

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by my_utuwa | 2010-04-14 20:28 | Comments(20)

おのぼり

2月・3月と忙しい日々が続いた後、少し時間が取れたので東京に行ってきた。
今回は、キーマに留守番を頼んで1人で出かけることにした。
特に目的はなかったが、美術館巡りをして、
思いついたところで電車を降りてぶらぶらと見て回る、おのぼりさん。

まだ肌寒い東京だったが、桜の花が咲き始め春めいていた。



上野公園を通って美術館に直行。
桜は、5分咲きくらい。
平日なのに人がいっぱい、田舎だったら「何かのお祭り?」と思わず聞いてしまうところだ。

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国立美術館
この中には何十点もの国宝と重要文化財が展示されていて、
一度で見てまわろうとすると、頭痛がしてくる。
いいものは、何回にも分けて見ないといけないようだ。

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オーラが凄いから、ここの美術館入口ではいつも緊張してしまう。

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鑑定団で有名な柴田刀剣店に行きたいと思い、銀座で降りた。
しばらく歩くと、歌舞伎座が出現!
一度は見物してみたいと思いながら、まだ実現していない。
次のテーマは、歌舞伎と落語にしよう。

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3時間程銀座を歩いて、築地が近いことを思いついた。
築地といえばマグロ。
行列している店をみつけて、食券を買った。

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これだけでも、東京に来たかいがあったな・・。

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ナンが出掛けた。
こんな時は自分の為だけに時間が使えて、ちょっとだけ開放感がある。
いつもはバタバタと三度の食事の支度に追われるが
こんな日はあり合わせで、う~んと楽をしよっと・・。

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たけのこを、友達から頂いた。
今年の初物だ。
庭に山椒の木があるので、若芽を摘んで春の香りを添えてみた。

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どうだ!!ナン。
自分だけおごちそう食べて、ずるいぞ~!!
粉引きのお皿をワンプレート風に。
手前から鳥から、コロッケ、若竹煮、板わさ、炊込みご飯、イチゴ
カップの中は、ひじきの煮物。

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デザートも作ってみた。
今回はショコラケーキ。
焼く時間をちょっとだけ控えて、中はしっとり感を残してみた。
粉引きの長角皿に盛り付ける。
ちょっとグリーンっぽい色をした粉引き、春の新作。

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by my_utuwa | 2010-04-04 15:50 | Comments(29)