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『 桃林窯 器こぼれ話 』

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ギザ10

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コンビニでの買い物の後ふと気が付くと、つり銭にギザ10円が混じっていた。
ギザ10は集めている訳ではないけれど、見つけてしまったらもう手放せない。
僕が生まれる前から長い時間をかけて人から人に渡り続け、やっとここまでたどり着いたと思うとなんだか貴重なものに思えてしまう。





僕が使っている窯は大小二つあり、大に8本、小に4本のバーナーが付いている。
バーナーは微妙なセッティングが必要で、特に空気取り入れ口の隙間が窯上がりの良し悪しを大きく左右する。
隙間は1.5ミリから3ミリ位で、この短い寸法を定規で正確に測ることは難しい。
普通は隙間に合ったコインを差し込んで調整するのだが、僕の窯は10円玉や100円玉を差し込んでも少しだけ空きすぎてしまう。
勘を頼りに微調整をしていたけれど、隙間に合ったコインがないものかといつも探していた。
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ある時、ギザ10が普通の10円玉より少しだけ薄いことに気付き、若い10円玉と比べてみると明らかに薄くて軽かった。
人から人へ渡り続けたギザ10は少しずつすり減って、長い年月で細身になってしまったらしい。


バーナーの隙間に合わせると、重ねて2枚がジャストサイズ。
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バーナーの炎は青過ぎず、赤過ぎず、良い色で燃えている。
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青色の炎は空気が入り過ぎ、少し赤いほうが炎は穏やかになり焚き初めにはちょうどいい。
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以来それぞれの窯に2枚ずつ、計4枚のギザ10があれば充分だったが、
見つけるとついため込んでしまい、窯の扉に並べて眺めている。
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昭和26年製から33年製のものが多く、30年製と31年製は持っていない。
集めているつもりは全くなかったけれど完全にコレクターになってしまっているな、
とコンビニ帰りに気が付いた。

数えてみると20枚。
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一番古い26年製は黒くて表の数字や裏の絵もよくわからないので
仕事場にある酢酸を使い銅の酸化被膜を除いてみようと試してみた。
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反応促進に塩を混ぜて硬貨をその中に入れてみると・・・
数分で真っ白、ではなく赤銅色!! 65年前の銅の輝きがよみがえった。
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でも少し反省・・ ギザ10に刻まれた長い歴史を台無しにしてしまった。
残った18枚はこのまま大事にとっておこう。

ギザ10が製造されて100年が経った後も、
自販機で今と変わらずコーラが買えたら素敵だなと思う。        ナン
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# by my_utuwa | 2017-02-12 22:02 | Comments(2)