全く予算がない頃に自分たちで作ったお手製の看板は、
お世辞にも素敵だとは言えないものだった。
わかればいいか・・と、心の中で言い訳していたけれど
お客様から「赤い色を一部に使ってみたら・・・?」
「もう少し大きく目立つようにしたら?」など
いろんな人からいろんなアドバイスをもらっていた。
自分たちで一生懸命考えた看板では、なかなかアピールもできないようだ。
ある日図書館で文字を調べてみたら、隷書体というのが気になった。
真似をして同じように自分たちの看板用に書いてみたけど、
付け焼刃の文字を書いたところで、やっぱり決まらない。
「しょうがないよ・・・。」
「とりあえず、これで行こう・・・。」
スタートはそんな風だった。
いつかはきれいな看板立てなくっちゃ・・と思いながらも
時間だけが過ぎてゆき、そのうち気にならなくなって
いつの間にか20年が過ぎて行った。
古くなった看板を、再び新しくしなければならなくなったころ
一本の電話が入って、思いもかけない話をいただいた。
「商工会です。補助金の申請をしませんか・?ホームページや看板を作れますよ」
「えっ!?ホントに?そんなことできるんですか?」
まるで棚から牡丹餅が落ちてきたような話に、ナンも私もすっかり舞い上がった。
喜び勇んで自分たちでデザインした看板は、あれやこれやと賑やかな話し合いを経て
年末ようやく完成した。
そして、吹雪が吹く寒い日に念願の看板は立ち上がった。
道路まで降りて行っては、「もっとこうしたらよかったかな・・」
「もう少し小さくてもよかったかな・・・」と反省を兼ねながらも、
もの珍しさも加わって、かわるがわる結構楽しく眺めているこの頃。S | M | T | W | T | F | S |
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