夏になると、食事の支度がおっくうに感じるのは私だけだろうか?
朝はパンと飲み物、それにフルーツを少しだけ用意する。
お昼は麺類や、丼もの、チャーハンなど、ちゃちゃっと作れる料理をつくる。
問題は夕飯だ・・。
ナンはビールが大好きで、夕方になると徒歩10秒の工房から
早々に帰ってきて冷蔵庫を覗く。
ナンは食事にうるさくないし、何を作ってもけっして文句を言うことはない。
だけど夕飯はたっぷりと、毎日3時間近くをかけるツワモノだ。
うるさくないとはいえ、夕飯を楽しみにしているので
つまみやお突きだしはそれなりに必要になってくる。
だけど猛暑が続く日は、まだムっと熱気の残った暑い台所に立つだけで
うんざりしてしまって、食事を作る気にはなれない。
そんな折、タイの友達から一本の電話をもらった。
夏休みにそっちに遊びに行ってタイ料理を作るから、
みんなで一緒に楽しまないかという、ありがたいお誘いだった。
押しかけ料理大歓迎!二つ返事でオーケーを伝え、その日を首を長くして待つことになった。
炎天下の昼少し前、ようやく友達家族が玄関にたどりついた。
挨拶もそこそこに、ウィちゃんがタイの調味料を目の前に差しだした。
隣には、奥さんのマルちゃんがずっしりと重そうなタイ米の袋を提げている。
「おひさしぶり!!遅くなってごめんね。さあ~、作ろうか・・」
「うわ~、待ってたのよ~、うれしい!!」
実を言うと、タイに限らず、私は暑い国の食べ物が大好きだ。
食欲増進のためにスパイスや、辛い唐辛子、発酵した調味料を使うことが
多いため、味にパンチがあるし、コクがある。
くせがあって食べられないと言う人も多いが、何をかいわんや
これが食べているうちに、本当に癖になってしまう。
慣れてくると、逆に日本食に物足りなささえ感じてくるのだ。
小一時間ぐらいたって、たくさんできたアツアツのお料理を床に並べて
みんなで座って食べることになった。
ナンにとっては生れて初めてのタイ料理だった・・・。
恐る恐る箸を付けるナンに一言、「どう?」
「うま~い!!」
ナンは目を白黒させながら、たった一回でタイ料理の大ファンになってしまった。
キーマ
手際良く料理が始まった。
御料理に使う材料を一気に刻むウィちゃん。
タイ料理はレモングラスやナンプラー、タイのソーイビーンズソースを使うのが基本らしい。
ニンニクや干したショウガ、バイマックルも定番だが、何といってもたくさんのレモンを絞る。
そうか・・・、これだな・・。
これは抜群においしかった鳥のスープ。
骨付きの手羽元を、干しショウガとレモングラスで煮込む。
コクのあるスープにはたくさんのレモンを絞る。
1~2日経ってから食べると美味しいと言われたけど、30分で完食。
タイ風のオムレツ。
中にはニラやネギをお好みで入れる。
じっくりとフライパンで焼きあげる。
味付けはソーイビーンズソースと、ナンプラー。
エスニックなオムレツは、食欲をそそる。
作ってもらうばかりでは悪いので、
こちらで用意した生ハムと玉ねぎとバジルのオードブルサラダ。
これにオリーブオイルとバルサミコ酢をかけて食べた。
簡単な箸やすめ。
料理の名前はわからない。
ひき肉(豚でも牛でもマトンでもいいそうだ)に野菜を炒めたものに
米粉と唐辛子の粉を入れる。
米粉の独特の食感に唐辛子の辛さが加わって、なんとも美味しい。
これにもレモンを絞って味を引き締める。
ひき肉のサラダと言ってたな・・、レタスに包んで食べる。
生のトウガラシや生のにんにくがたっぷり入っている。
タイの人は辛い料理も大好きだ。
これにもレモンやナンプラーをたっぷり入れる。
レタスのパリパリ間の中に、ピリ辛の具が見事にマッチ。
我が家で用意したデザート。
保存していたビワのシロップ煮を使って、ビワゼリ-を作った。
汗をたっぷりかいた後の、ひんやりゼリーだ。
アメリカンチェリーのタルト。
今、佐賀では人気の店の大好きなタルト。
ワル猫さんも、いちおしの「うふふ」タルト。
大きさもたっぷり~ ボリュームもたっぷり~
できた順番に床にお皿を並べる。
そう、これもタイ式だ。
さあできた!!
いっただきま~す!!