ひと月後に結婚式を控えている若い女性が、
両方の母親と共にうちのギャラリーへ来られた。
ニコニコと控えめの笑顔が、とても幸せそうに見える。
「もう籍は入れていますが、披露宴はこれからなんです。
引き出物って、今から注文して間に合いますか?」
「間に合うもなにも、何とか間に合わせなくっちゃね。」
ナンは、カレンダーを見ながら答えていた。
「どんなのがいいですか?」
「う~ん・・・、皆さんどんなのを頼まれるんですか?」
「カップ類が多いかな?」
「でも、せっかくだから好みと予算に合わせて
オーダーメイドのオリジナルを作りましょうか・・」とナン。
「えっ、ほんとですか?」
とたんに女性の顔が輝いた。
ギャラリーにあるカップ類をいろいろテーブルの上にのせて話し合いが始まった。
ナン) 「こんなのどう?大きい?」
女性) 「いいえ、コーヒー好きの方たちが多いから、職場で使えるような
こんな大振りがいいな。色はこっちのカップの方が好きなんですが・・」
ナン) 「ハハ・・、いいですよ。じゃそうしよう!!」
「男性用と女性用に分けて、女性用には別に作りましょうか?」
女性) 「女性用には、お料理好きな人が多いから、実用的なお皿がいいな・・」
ナン) 「一枚で使えるような、存在感のあるたっぷりとした粉引き皿はどう?
みんながアッというようなもの作っておくよ」
女性) 「えっ、いいんですか?」
「ちょっと~、予算にぜんぜん合わないよ。ナン・・」心の中でそう思うけど
もう止めようがない・・。
好きなものしか作らないナンの頭の中で、予算はとっくにとんでしまっていた。
ナン) 「ラッピングはキーマ担当だから、好みを言ってくださいね。」
バトンタッチされてしまった。
ラッピングとなると、やっぱりちょっとこだわりたい。
キーマ) 「秋だから、秋色のイメージで行きましょうか?
紐は麻でナチュラル感を出して、こんな感じはどうですか?」
女性) 「わっ、いい!!」
すんなりと決まった。
コーヒーを飲まれた後、「じゃ、お願いします。楽しみだな・・。」
見送った後、だんだん心配になってきた。
「ねえ、ナン。予算内に収まるかなあ・・」
「う~ん、何とかなるでしょう!」
ナンが敬語を使う時は、ちょっと怪しい。
そうして1か月後、無事に納品が終わった。
喜んでくれたかな?
結果はまだ聞いていないが、
二人がまた訪ねてきてくれるのをとても楽しみにしている。
キーマ
これが女性用の長角皿。
ボリュームがあって、存在感がある。
新郎の母親が、私も欲しい・・と更に10枚注文してくれた。
ちょっとわかりにくいかな?
大ぶりの粉引きのカップ。
下にくぼみがあって、持ちやすい。
ラッピングは、わたしの担当。
秋の紅葉をイメージして、あれこれと色合わせをした。
おめでたい感じも出したいから、こんな紐の結び方はどうだろう?
手入れをしていない庭に、ススキが立っている。
でも、秋っぽい感じがなかなかいい・・。
このままにしておこう・・。
白萩がそろそろ終わりに近づいてきた。
下に落ちる花びらを、こぼれ萩というらしい。
今日は、スリランカカレーを作ってみた。
タイカレーにちょっと似ている。
ココナッツミルク味が特徴的。
スリランカカレーのパウダーは、お客様からのいただきもの。
ごちそうさまーっ!!
ピッキーは元気ですか?と最近、お客様からよく聞かれる。
元気です!この通り!!
日向ぼっこしている所を、一枚・・。
ついでにクンも、一枚。
寒くなってきたので毛布を出してあげたら、
クンと同系色の毛布が気に入った様子。