人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『 桃林窯 器こぼれ話 』

touringama.exblog.jp
ブログトップ

猫のカギ

猫のカギ_f0174082_92434.jpg



「うちの猫には、家のカギを持たせています。」
そういうと、皆一瞬固まって、それからゲラゲラ笑い出す。

我が家は山の一角にあり、周りを森と湖に囲まれている。
猫達は、その森や湖のまわりを一日中駆け回って遊んでいる。
生後3カ月ごろのピッキーに、外歩きを教えた直後のこと、
いつでも自由に遊びに行けるようにと、ベランダに猫用のドアを取り付けた。

もともと、車の心配はあまりなかったので、家の中も外も自由に出入りさせたかった。
外に出るのを嫌がるピッキーに、「外は楽しいぞ~。」などと言って外に連れ出した。
そのうち自分から外に出るようになったので、猫用の小さな「ドア」をつけたのだが、
おしゃまなピッキーには、すぐに近所の雄猫がついてまわった。

やがて、この「ドア」から雄猫が、毎日家の中まで会いにくるようになった。
ピッキーは怖がって、おちおちくつろぐことができなくなり、
小さな音にさえ怯えた。
「・・・何とかしないとなぁ。」
いろいろと調べて、マグネットキー付きの犬猫用のドアがあることを知り、
小遣いをはたいて、オランダ製のこの素晴らしく高い「ドア」に買い替えた。

カギを首輪につけ、このカギを持っている猫だけが
ドアを通過することができる。
ピッキーはようやく安心して家で過ごせるようになり、
この一件は落ち着いた・・・。
一年後、拾われてうちにやってきたちょっと不細工なクンにも、カギを持たせた。
 
今日も2匹はカギを付けて、山の中を遊びまわっている。
「ピッキー、クン、ご飯だぞ~。」
だんだん暖かくなってきて、帰りが遅い猫達に、
森に向かってそう呼ぶと、「ニャ!」とはるか遠くから返事が聞こえて、
ドドドっと地響きでも聞こえてきそうな勢いで、まっしぐらに草をかき分け帰ってくる。
クンは、勢いのままドアに頭から突っ込んで、必ずただいまの「フニィ・・」を
言いながら入ってくる。
ピッキーはお上品に前足でちょっとだけ押して、ためらいながら入ってくる。
内側から見ているのに気がつくと、「開けて!」と言わんばかりに
ドアの前でちょこんと座って、開けてくれるのを待つ。

猫達の首輪は、赤やブルーの安いゴム製の収縮するタイプで、
万一、木に引っかかっても事故のないように、ゴムの首輪を選んでやった。
そのかなり貧乏くさい首輪には、不釣り合いな立派なカギが付いている。    ナン

猫のカギ_f0174082_9241897.jpg





ピッキーは気が向くと、ギャラリーにやって来る。
ひと気のあるところでしばらく日向ぼっこしてから、また遊びに出かける。
そのワンショット。
この日はうららかな陽気だった。

猫のカギ_f0174082_9242998.jpg





お昼御飯にクンが帰ってきた。
カメラを構えていたので、ちょっとギョっとしたらしく
入ってきたところで、立ち止まった。
ドアを入って、ただいまの「フニィ・・」を言うのも忘れてしまった。

猫のカギ_f0174082_924388.jpg





さ、ご飯ご飯・・

猫のカギ_f0174082_9244762.jpg





クンのカギ付きショットを撮りたかったが、
押し入れの中に隠れてしまった。
しょうがない、クン一枚撮るぞ。

猫のカギ_f0174082_9251792.jpg





桃林窯の山桜が満開した。
でも、今年は花びらが嵐ですぐに散り始めた。
キーマはしばらく掃き掃除をやめて、下に落ちた花びらを楽しんでいる。

猫のカギ_f0174082_92530100.jpg





春の嵐の日。
こんなときは、来客が少ない。
お昼御飯は、パスタ。
ホタテとほうれん草のパスタ。
にんにくが効いていておいしかった。
キーマはすっかり休みモード。

猫のカギ_f0174082_9254150.jpg





あり合わせのサラダ。
キーマ手抜き、ミックスサラダと言うらしい。

猫のカギ_f0174082_926477.jpg

by my_utuwa | 2010-03-24 11:13