はまってしまった・・・。
中国の歴史小説に、である。
ことの発端は、常連のお客さんとの会話から始まった。
桃林窯の名前の由来を聞かれたのだ。
三国志の中の劉備玄徳、関羽、趙飛の「桃園の契り」からきている、と答えた。
ナンがいつも言っている言葉をそのまま伝えた。
「三国志好きですか?」
「えっ?いいえ・・、私はまだ読んだことがありません。」
そんな事を聞く人は、今までいなかった。
でも聞かれたら、正直に答えるしかない。
その人は、「三国志は大好きな本なので、今度来る時に持ってきますよ。」
帰り際に、さらりと言ってくださった。
しばらく忘れていた頃に、本当にたくさんの本を持って来られた。
北方謙三、全13巻、きれいに揃っている。
「これは、読まないわけにはいかないなぁ・・・。」
何やら難しそうなイメージだったので、
正直に言うと、中国の歴史小説は避けていたといったほうがいい。
読み始めたら、案の定、登場人物が多いのにまず閉口した。
ところが読み進んでゆくうちに、どんどん引き込まれていって
いつの間にか古代の中国に飛んで行ってしまった。
「だれが、お好きですか?」
読み終わって、本を返す時にその人に尋ねてみた。
三国志の中のたくさんの登場人物に、読む人はいつの間にか
好きな英雄と自分とを重ねてゆく。
ナンは、関羽だ。強さと豪快さ、律義さもたまらなく好きらしい。
「僕は、趙雲将軍ですね。キーマさんは?」
「私は、なんといっても呂布ですね。」
「へ~、意外だなあ~。」
そんな会話が弾んでいった。
呂布の人を寄せ付けない強さ、孤独さ、かっこよさが何ともいい。
愛馬の赤兎を手放すシーンは、あまりにも切なくて、泣けた。
それからというもの、その人は面白そうな中国の歴史小説を
毎回、つぎつぎと選んで運んできてくれる。
桃林窯ギャラリーは、冬は静かで暖かく、鉄瓶の蒸気の音だけが聞こえている。
そうして私はその奥で、今日もいそいそと古代の中国へと出かけていく。
キーマ
先日、ナンのいとこが訪ねてきてくれた。
いとこと言っても年が離れていて、ナンに取っては、叔父のような存在だ。
そのいとこ、最近ローストビーフづくりに凝っているらしい。
「僕が作ったんだけど、良かったら食べてみて・・・」
そう言ってレタスとタレまで手渡された。
その日の、ワンショット。
お味は、言うまでもなく絶品だ。
伊万里牛のローストビーフだそうだ。・・・道理で!!
炭化焼き締めの角皿に盛り付けて・・。
うちで使っているこの皿は、もう何年も前に制作したものだ。
うらに大きな窯傷があって、お嫁に出さなかった。
使い続けているうちに、だんだんとつやが出て、
とてもいい感じになってきた。
お気に入りの一枚になった。
ちょっと濃厚なタレは、ローストビーフにはよく合った。
粉引きの器に入れて。
新作の粉引きのプレート。
掛け分けにして、アクセントを持たせた。
大きめで、和でも洋でも使える。
これも新作、粉引きの角皿。
シンプルで、控えめ。
オードブルや、お肉や魚などのメインの料理に・・。
良く見ると、ハート型をしている。
そう、これは桜の花びらのかたちをしているのだ。
手のひらサイズの小皿。
企画展「桜・さくら」の小皿だ。一種類だけのアップで
ごめんなさい。
先日「すいき」の企画展の飾りつけの時、お茶うけに出された栗きんとん。
あまりにもおいしくて、持っていた湯呑みを落としそうになった。
大好きな栗。すいきで買い求めることもできる。
宮崎からのお取り寄せだそうだ。
仕事を忘れて、一本買い求めてきた。
粉引きの角皿に乗せ、菜の花を添えて、うちでもお茶にした。
たまにはお抹茶を楽しむのもいいかな。
刷毛目の抹茶椀で・・。
早春の中、暖かな日だまりを見つけて、
外で抹茶をいただいた。
野点の気分だけでも味わおっと。
ひゃ~、まだまだ寒い!!
やっぱり火の傍が一番だ。
・すいきのお茶会 (吉田求展)
2月18日(木)~20(土)
25(木)~27(土)
11:00~18:00
場所)日本茶カフェ すいき
〒840-0842
佐賀市多布施3-2-78
☎ 0952.24.5875
・企画)桜、さくら
場所)器らくや・悠遊
〒815-0035
福岡市南区向野2-4-8
☎092.554.2220
日時)3月2日(火)~14日(日)
11:00~19:00
・吉田求 器展
3月9日(火)~14(日)
10:00~18:00(最終日17:00)
場所)高伝寺前 村岡屋ギャラリー
佐賀市本庄町大字本庄961-5
☎0952.24.5556
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