不況の風が急速に吹き始めたここ1~2年。
僕たちも、少なからず影響を受けた。
そこで始めた、いつもと違うことをするというジンクスは、
年末の31日、東京への初もうでという形になった。
昨年、思いつきで始めたこの1日だけの大急ぎの弾丸初詣は、
思っていた以上に楽しく、いいことも多かった。
僕とキーマは「今年も行こう!」とすぐに話がまとまり
大雪の舞う中、ワクワクしながら、再び飛行機に飛び乗った。
雪の中を車で1時間ほど走って、ようやく佐賀駅に着いた。
福岡までは、ここから電車で行くことにした。
大雪のため電車も遅れ気味、電車が福岡に着いた頃、雪はやんでいた。
いよいよ出発だ。
飛行機に乗ると、大晦日の東京行きはガラガラだった。
窓から写真を1枚、雲の上の空はきれいな青空だ。
珍しくて窓の外ばかり見ていたら、ブロッケン現象に気がついた。
うっすらと映っているのがわかるだろうか?
雲に映った飛行機の影を中心に、丸い虹が取り囲んでいる。
御来光などと呼ばれる珍しい現象らしい。
羽田空港に着いたところ。
空港もお正月バージョンで飾り付けされていた。
キラキラとした、都会的な正月だ。
予約していたホテルの最寄り駅に着いた頃、もうあたりは暗くなっていた。
冷たい風が吹いて寒かったが、見ると、広場にSLが飾られていた。
「写真とろうか・・」なんて言っていたら、
隣で写真を撮っていた若い男の子たちが場所を譲ってくれた。
去年たまたま見つけた、蕎麦屋の「砂場」。
雰囲気のある建物で、来年はここで年越しそばを食べようと、キーマと決めていた。
行ってみると、営業中。
「よし!いくぞっ!」初めて入る老舗はちょっと緊張する。
寒風の中、行列に並んで店に入るまで40分も待たされた。
「折角来たのだから、絶対に食べよう。」とキーマは、言いきっていた。
店内は超満員で相席だったため、残念だが写真は控えた。
蕎麦は、本当においしかった。
蕎麦を食べた後、初詣に出かけ、ホテルに帰ったのは午前2時ごろ。
キーマは半分寝ている。
僕だけ、ホテル屋上にあるペントハウス風の温泉に入った。
初風呂は、誰もいない大浴場で大満足。
帰りの飛行機から見えた雲海。
「左手下、富士山が見えます」のアナウンスで、窓の外を見ると富士山が見えた。
僕らは大興奮して、富士山の写真を撮りまくった。
こうして始まった僕らの一年だ。