子供の時から、甘いものが苦手だった。
一生、口にすることはほとんどないと思っていたケーキだったが、
結婚したナンが、甘いお菓子も普通に食べる人だった。
おいしそうにパクパク食べるナンのケーキの端っこをつまむうちに
なんとか少し食べられるようになり、やがて観よう見まねで作るようになった。
フルーツケーキは、結婚したての全くお金がなかった頃、残ったドライフルーツを
捨てられなくて、貰ったブランデーに漬けて保存したのがきっかけだった。
今では、わざわざ買ってきて、常備するようになった。
ケーキに焼き込むドライフルーツ漬けは、いつも気楽に気長に作っている。
他のお菓子を作った時に、半端に残ったレーズンやリンゴ、プルーンやアプリコット、
お正月の残りの干し柿なんかはフルーツ漬けには格好の材料だ。
ガラス瓶に、小さく刻んだフルーツを入れ、ブランデーをひたひたに注ぐ。
棚の奥に静かに置き、ほかの材料が出たときにブランデーと共に、また足してゆく・・。
こうしてゆっくり時間をかけて、ガラスの瓶がいっぱいになった頃に
フルーツケーキを焼くことにしている。
フルーツケーキはクリスマスのころに作るお菓子らしいが、
私はクリスチャンではないので、食べたい時、思いつくまま焼いている。
うちで作るケーキはブランデーとフルーツがたっぷりで、しっとりとした味わいがある。
食べると酔っ払いそうになるが、深入りのコーヒーとなんともよく合う・・。
と言っても、甘いものはやっぱり得意ではない。今でも沢山は食べられない。
だから、私の作るケーキは、そんなに甘くはない。
雪の舞う日の工房は、訪ねて来る人も少なくなる。
そんな時に、こんなフルーツケーキが、今ではちょっとした楽しみになっている。
キーマ
ケーキの材料をきちんと計って、用意する。
ちょっと面倒な作業だが、これが終わると半分は出来たも同然だ。
一番奥の中央が、ドライフルーツのブランデー漬け。
これで、ケーキ2~3台分。
一台分をはかって容器に移す。
ブランデーの香りが、目覚めたように台所中に漂いだす。
バターや卵、小麦粉などの生地の中にドライフルーツを混ぜ込んだところ。
さっくりと混ぜて、オーブンを温め、いよいよ焼き始める。
一時間後が楽しみだ。
ようやく、焼きあがった・・・。
最初の一切れを取り分けて、写真に収めた。
キッチンにあったイチゴを乗せて・・・。
「出来たよ~」
今日のコーヒーに使ったカップ。
もう10年以上も作り続けているロングセラー。
炭化焼締の砂糖入れ。
栗のスプーンは、去年収穫した栗を利用した。
クリーム入れ。
砂糖入れに合わせて、これも炭化焼締。
コーヒーが入った。
ナンを呼んで、珈琲ブレイク。